pledgeシリーズ 
               【T】sympathy




 ジェイクは、足元にある無残な躯を、憂鬱な面持ちで見下ろしていた。朝靄の中にむっとするような血の匂いと、早く
も死肉を嗅ぎつけた蝿の羽音が幽かにする。生まれて間もない子牛の肉は、人間ばかりが好きなわけではない、と
いうことか。心に浮かんだ笑えない冗談に苦笑いし、しゃがみ込んで、食い散らかされた子牛の身体を調べる。この
子牛を殺したのが人間でないことは、その噛み跡で一目両全だった。更に視線を巡らせ、牧草地の湿った地面に散
らばる無数の足跡を眺め、首を振った。すると、その視線の先に、見慣れたスニーカーが眼に入りその持ち主に、声
をかけた。
「どうだったんだ?ジョン。」
「うん。ターナーさんちの鶏小屋が荒らされてる。」
「全滅か?」
返事が無いのでジェイクは立ち上がり、息子の顔を眺めた。今年14になるジョンは、その年の少年にしては大人び
た顔をしている。ひょろりとした筋肉質の体格で、自分の背丈が追い越されるのもそう遠くないだろうと、最近富に背
が伸び始めた息子の成長振りを密かに喜んでいた。
 暫くジョンは無言で牧草の上をゆっくりと移動する朝靄を眼で追っていた。その横顔を見ながらジェイクは、こんな時
の表情は、死んだこの子の母親にそっくりだと思わずに居られなかった。母親譲りの細面で繊細な顔立ちの少年で、
これも母親そっくりの素晴らしく澄んだ青い眼をしていた。外見で父親に似たのは髪の色ぐらいだったが、性格の殆ど
は父親から譲り受けたといっていいだろう。誰かの為に心を痛めた時の、顰めた眉の儚さは母の面影を残し、そんな
感情を顕にしない意思の強さは父親の気質を受け継いでいる。

 ジョンは幼い頃から内気で無口な少年だったが、母親が病気で亡くなってからは、更にその傾向が強くなった。自
分が暫く家を空けている間に、病に伏した母親を一人で看病し最期を看取ったせいもあるのだろう。年齢の割りに非
常に聡いところがあり、父一人子一人の生活なのにまるで自分の方が息子に世話されているような気になる時があ
る。最近でこそ驚かなくなったが、自分の考えをまるで聞いたかのように、ジョンが全てを整えていることが度々あり、
もしかしたら口に出してこうしろと言っていたのか、と自問自答することがしばしばだった。
 ジェイクの妻は陽気で楽天的な女性だった。彼女の居るところは笑い声が耐えなかったし、何でも面白がる性格は
真面目な夫を面食らわせることが多かったが、そんな夫の反応さえ、彼女にかかればからかいの対象になった。豊
かな想像力と発想の奇抜さから、彼女の話す話には突飛なエピソードが山ほどあり、人から気難しいと思われている
ジェイクが、彼の妻の前では腹の皮が捩れるほどよく笑った。それは又幼い彼の息子も例外ではなく、他愛のない、
いたずらを両親にしかけては、ふざけて追いかけ回す母親から逃げ回り、捕まると嬌声を上げて笑い転げていた。家
庭は幸福に満ち、未来は輝いていた。
 しかし、それも4年前に妻が亡くなると同時に、一変する。ジェイクが兵役を終え、ようやく家に帰還出来た前日に、
妻は病気で亡くなっていた。寒々とした家でたった一人彼を待っていたのは、全ての感情を何処かに置いてきたよう
な顔をした、見知らぬ子供だった。父親の帰りを待って出された葬式の間も、母親の埋葬の時もジョンは涙も見せ
ず、一言も発することなく只黙って立っていた。
 それから暫くの間、不在だった2年というブランクを、母親の助けなく埋めることはジェイク達父子にとって容易では
無かった。ましてや、2人とも愛する家族を亡くした痛手に、お互いが立ち直れて居ないのだ。
 ジェイクは正直戸惑いを隠せなかった。2年前までは、自分にまつわりつき、父親のすることを何でも真似していた
無邪気な子供だったジョンは、まるで面影無く変わってしまっていた。話しかければ答えるが、滅多に笑わなくなり、
友達と遊ぶことなど無く、何時も独りでいる姿ばかりを見た。確かに母親の看病で一年以上、友達と遊ぶことなど出
来ずにいたせいもあっただろう。しかし、家の手伝いなどいいから遊んできなさいと、無理やり追い出しても、気乗りし
なさそうに出てゆき、結局は独り何処かで時間を潰して帰ってくる。
 実の親子だというのに、まるで他人行儀な生活が3カ月ほど続いた。その間ジェイクは、常にジョンの動向に注意を
払い、息子の心を開かせようと努力を惜しまなかった。休日は身体が空いてる限り息子と過ごし、学校の担任にも何
度か相談をし、家以外での様子を詳しく尋ねた。その結果ジョンは内気な性格から友達が出来難いと知ると、すぐさ
ま地元のリトルリーグに片っ端から連絡し、欠員のあるチームに本人の承諾も得ずに放り込んだ。
 最初は父親の独断に、不服そうなジョンだったが、元々運動神経が良く身体を動かすのが好きだったせいもあった
のだろう。相性の合うコーチに才能を見出されめきめきと上達すると、あっという間にレギュラーメンバーになってい
た。そのあたりからジョンは、友達も出来再び明るい顔で笑う子供に戻り始めた。ようやく2人だけの生活にも慣れ、
家族の会話や、心穏やかな日常が戻ってきたかに見え、これからの生活にも明るい見通しが立つような気がし始め
ていた。
 しかし、だからといって全てが元通りというわけには、行かないのも事実だった。相変わらずジョンは、子供にしては
口数が少ないし、時折非常に頑なな態度で押し黙ることがあった。両手をポケットに突っ込んで、僅かに俯き眉間に
皺を寄せ、唇を真一文字に引き結ぶ。こういう顔をしたジョンには、たとえ父親でも触れることは出来なかった。只後
は、ジョンが自分で扉を開けてくれるのを待つ以外、成す術は無い。
 こういう頑固な強情さは、自分に似たと分かりきってはいたが、それにしてもと、ジェイクは思わずに居られなかっ
た。それにしてもこの、頑ななまでに全てを拒絶する頑固さは、10やそこらの子供にはおよそ似つかわしくない。これ
が、自分が不在の間に培われてしまったこの子の性格だとしたら、随分と辛い思いをさせてしまったことになる。
 町場から何キロも離れた小さな牧場で細々と暮らす親子の様子を、気にかけるはずの隣人も遠く離れており、又そ
の隣人さえも日々の生活に追われ人のことなど後回しなのが、この辺りのごく一般家庭の生活環境だった。従って、
ジェイクが戻った時、留守中の母子の様子を一番詳しく知っていたのが、隣に住むターナー夫妻だったのだが、2人と
もすでに齢70を超え、どちらかと言えば彼らが誰かに気にかけてもらわなければならない状態だった。
 しかし、隣近所との関係は良好だったらしく、戻ったと同時に妻の葬式を挙げる羽目になったジェイクに、付近の住
民全てが何くれと無く手を貸してくれた。その中で交わされた会話で、ジェイクは妻の発病に伴う金銭の行き詰まり
と、それを補う為に飼っていた牛全てと牧場の三分の二を手放すことになっていった経緯を知った。
 ターナー夫妻は決して人好きのする夫婦ではない。偏屈な夫と口やかましい妻という割れ鍋に綴じ蓋のような老夫
婦で、口の悪さは町でも有名だった。アトランタ市内から引っ越して牧場を買い取った時、隣がターナー夫妻というの
を知った町の人間に、嫌というほど同情をされ、引っ越した当日にその理由が分かるほど、ターナー夫妻の舌鋒は凄
まじかった。しかしその夫婦がジョンにだけは、信じられないほど優しかった。
 10になるかならないかの遊びたい盛りの子供が、たった一人で家事をこなし、母親の看病をし一言も泣き言を漏ら
さず必死で家を守ろうとする姿は、如何な偏屈な老人でも、例外なくその心を打ったのだった。彼らは、口にこそ出さ
ないが、赤の他人であるジョンを愛しく思い、その訪問を楽しみにしていることは、誰の目にも明らかだった。
 その彼らがジョンが明るくなり始めた頃、、わざわざ尋ねてきてジェイクに告げたのだった。ジョンの様子を注意しな
さいと。彼らはジョンがどれだけ辛い思いをしていたかジェイクに教え、最後にこう締めくくり帰って行った。
「あの子は賢い。でも、今はそれが邪魔をしてる。意味は分かるな?」
勿論、言われなくとも分かっていた。しかし、成す術がないからジェイクは頭を悩ませていた。何かに囚われるている
ように頑なな息子の心を、どうやれば解すことが出来るのか、探しあぐねていた。何か、ほんの僅かなきっかけさえあ
れば、きっと息子の扉は開かれるに違いないと確信していた。しかしそのきっかけが、一体何なのか何処にあるのか
見当もつけられずにいたのだ。
 だが、そのきっかけは意外に早く訪れた。
 その日、学校からの呼び出しで放課後校長室へと赴くと、廊下の長いすに、ジョンが項垂れて座る姿を見つけた。
服はどろどろ、顔と手の甲には無数の擦り傷に絆創膏。ジェイクは父親が来たことに気付いているはずなのに、見向
きもしないジョンを、さっと見下ろしてから、校長室に入った。
 校長と担任はジョンに好意的だった。何しろ普段から大人しく、喧嘩などしたことの無い子供で、おまけに母親を亡
くしたばかりだ。そんな我が子の様子をジェイクが気にかけていることも、彼らには上手く作用していた。喧嘩の相手
が手におえない乱暴な上級生だったというのも、幸運だった。
 結局のところ、相手の鼻を折って病院行きにしたのはまずかったが、後で謝りに行くのなら今回は大目に見るという
ことで、無罪放免となった。
 学校から帰るトラックの助手席に座るジョンは、例の人を寄せ付けない顔で黙って窓の外を眺めていた。その横顔
を夕陽が照らす。ジェイクは、息子のつくねんとした小さな身体中を、声にならない叫びが渦巻いているのを感じた。
自分はこの叫びを解放してやらなければならない。それも、出来るだけ早いうちに。
 そう決意したジェイクが、トラックをガレージに止める僅かな間に、その気配を察したのか、ジョンの姿が見えなくなっ
た。散々辺りを探し回り、ようやく林の奥の泉のほとりに膝を抱えて座るジョンの姿を見つけた時は、既に夕闇が迫っ
ていた。
 ジェイクはそっと近寄ってジョンの隣に同じように座った。暫く2人は黙って水面を眺めていた。沈黙に耐えられなくな
ったのはジョンの方だった。囁くような声は、小さく曇っていた。
「喧嘩の理由を聞かないの?」
「ああ。」
「どうして?」
「お前が喧嘩するほどだ。男の喧嘩なんだろう?男の喧嘩に口は出せないな。」
それを聞いたジョンは、ちょっと目を見張り父親を見てから、膝を抱えた両腕に顎を埋めた。
「・・・・僕のことだったら何言われても平気だ。でも、他の人を悪く言うのは許せないよ。」
「そうだな。」
ジェイクは頷いて暫く間を置いてから、何気なく尋ねた。
「他の人って?」
その途端ジョンははっと息を呑むと、両腕に顔を埋めた。両手で両腕をぎゅっと握ると、小さな肩が小刻みに震え始
め、むき出しの細い項が心細げに映る。ジェイクには息子が言おうとしない言葉が何なのか、その様子で直ぐに分か
った。言わないのではなく、言えないのだ。ジェイクは黙って身体を寄せると、震える骨ばった肩を抱き、抱いた手で
静かに頭を撫ぜて言った。
「いいんだ。何も言うな。」
押し殺した途切れ途切れの掠れたジョンの声は、ジェイクの心に響いた。
「僕・・・僕は、早く大人になりたいよ。そうすれば、酷いことも言われないし、馬鹿にされることもないんだ。僕が馬鹿
で小さな子供だから、喧嘩なんかしちゃうんだ・・・。」
「すっとしたか?」
「え?」
「喧嘩して、相手をやっつけて気分が良くなったか?」
ジョンは顔を埋めたまま、首を振った。
「そうだな。相手を殴ったからって、気分が良くなりはしない。喧嘩じゃ何にも解決しないんだ。それが分かっただけで
も、お前は馬鹿で小さな子供じゃない。」
「違うよ!違う!父さんは何にも分かっちゃいない。」
突然ジョンは鋭い叫び声を上げて、猛然と立ち上がった。振り返り父親を見下ろす眼には、かつて見せたことのない
激しい怒りを漲らせている。ジェイクは静かに尋ねた。
「何が分かってないって?」
「ぼ、僕は役に立たない馬鹿な子供なんだ。僕がもっと賢くて大きければ、きっと・・きっと・・・」
言葉を途切れさせ、ジョンは両手の拳を両脇に垂らしぶるぶると震わせた。一杯に見開かれた眼は父親の視線を避
け、突然一気に言葉を吐き出した。
「きっと、母さんは苦しんで死なずに済んだんだ。」
ジェイクは胸を衝かれた。思わずジョンの前に方膝を着くと、そっと震える両腕を掴んだ。
「ああ、ジョン。それは違うよ。母さんは病気だったんだ。」
「でも・・・・。」
「いいかい。母さんの病気は今の医学じゃ治せない病気だったんだ。お前よりずっと頭の良いお医者さんだって母さ
んの苦しみを取り除くことが出来なかった。だから、母さんが苦しんで死んだのは決してお前のせいじゃない。」
しかし、ジョンは俯いたまま頭を振り、必死な眼で父親を見詰めた。
「だって、そんなこと誰も僕に教えてくれなかった。僕が子供だから、話しても分からないと思ったんだ。お医者さん
も、ターナーさんも、母さんだって。みんなして僕には、何時だって本当のことを言ってくれない。それは僕が、馬鹿で
小さな子供だから・・。」
「ジョン・・・・。」
「どうして?ねえ、どうしてなの?死んじゃうって、どういうことか僕には分からないとでも思ったの?信じられないよ。
僕は、・・・僕だけが母さんが死ぬまで、母さんがもう助からないって知らなかった。酷いよ。大人たちがみんなで寄っ
てたかって僕のことを騙していたんだ。僕の母さんのことなのに。・・・知らなかった、母さんが死ぬなんて。だから、だ
から僕・・・」
ジョンは口を噤むと、うーっと唸り両手の拳で眼を覆い、溢れてきた涙を抑えようとする。ジェイクは今、徐々に見えて
きた、ジョンの扉に隠されていたものを、理解し始めた。うっ、うっと嗚咽を押し殺そうとするジョンの眼から両手を外す
と、その小さな手を両手で包み、何があったのか話してみなさいと、優しく先を促した。ジョンは項垂れて手元を見詰
め、途切れ途切れに話しだした。
「・・・か、母さんは病気になってから、薬が効いてるときは機嫌が良いんだけど、薬が切れると、凄く怒りっぽくなった
んだ。・・・・・特に死ぬちょっと前は、しょっちゅう僕を怒ってた。痛いんだから、しょうがないって分かってる。でも、あ
の日、僕は学校の宿題がいっぱいあって、あんまり母さんの言うことを聞いてなかった。又、何時もみたいに薬が切
れて痛がってるんだろうって思って、薬と水をランプのところに置くと、宿題しに部屋に戻っちゃったんだ。・・・だって、
まさか母さんが薬も飲めないほど弱ってるなんて、思わなかった。だから、宿題が終わって様子がおかしいから、救
急車を呼んだ時も、病院に着いてからも、母さんが眼を覚ましたら、言おうって。・・・・ごめんなさいって、謝ろうって思
ってたのに。・・・ごめんなさい、母さん。僕、気がつかなくて、ごめんなさい。薬を取って上げなくて、ごめんなさい。僕
が役に立たない子供でごめんなさ・・・・・」
その先を最早聞いてはいられなかった。ジェイクは息子の言葉を遮ると力いっぱい抱きしめた。息子の心が、これほ
どまでに傷つき、それを語ることが出来ずに居た心中を察すると、目頭が熱くなった。ジョンの言うとおりだった。彼の
周りの大人たちは何と罪作りな事を、彼に対してしていたのだろうか。ジョンは泣きながら父親の胸を押し返し身体を
離すと、振り絞るような声で訴えた。
「父さん、どうすれば早く大人になれるの?僕が大人になれば誰も僕に嘘をつかないよね。本当のことを知ってれば、
もっといろんなことに気付いて、みんなに優しく出来るのに。母さん。母さんに、僕もっと優しくしてあげたかった。夜中
に苦しんでる時も、ずっとついててあげたかった。でも、僕、全然駄目で、少しもちゃんと出来ない。母さんに言われた
んだ。母さんのことでめそめそしないって、母さんと約束したのに、僕、夜中に痛がってる母さんの側に一人で居る
と、心細くて怖くなって、泣きたくなるんだ。だから、どうしても出来なかった。ずっと側にいるなんて、泣かずにいるな
んて僕できないよ。そのこと謝りたかったけど、いいやって思ってたんだ。元気になったときでいいやって・・・。酷い
よ。元気になるって、きっと元気になるって言ってたのに、ずっと言ってたのに、僕信じてた・・・」
「じゃあ、母さんとの約束があったから、ずっと泣かないように我慢してたのか?」
ジョンは歯を食いしばると、うんうんと何度も頷いてから付け加えた。
「ほ、本当は、こんな風に泣いちゃいけないんだ。か、母さんと約束したから、でも、ぼ、僕もう我慢出来ない・・。」
ううーっと声を漏らし、堰が切れたようにジョンは泣き出した。ジェイクが再び息子を優しく抱きしめると、最早抗うこと
なく身体を預けて来た。その小さな身体が抑えようの無い悲しみにしゃくり上げるたび、ジェイクは思うのだった。あ
あ、この子は、なんという不幸を今まで耐えていたのだろう。勿論母親の最後を独りで看取ったという、これ以上の不
幸はないかもしれない。だがしかし、本当の不幸はこの一見か細く頼りなげなこの子供の本質を、誰も、実の母親さ
えも見抜いていなかったところにあった。我が子ながら、これほどまでに芯が強く、現実を正面から受け止めようとす
る勇気には、感心せずにはいられない。この強さを理解できる大人が一人でも側にいれば、母親が病気になってから
今までの、息子の孤独はなかったかもしれなかった。彼の見た目があまりに華奢な為に、母親の死を受け止められ
ないだろうと気を使ったことが、却って裏目に出たのだった。結果、蚊帳の外に置かれ何も知らされなかったジョン
は、日々の不安や恐れを誰にも相談できず、逃げ場の無い孤独の中に、独り取り残されてしまったのだ。
 この子は強い。しかし、時にその強さが、我が身を責め苛んでしまう。ジェイクは息子の頭を撫ぜながら、諭すような
口調で囁いた。
「いいかい、ジョン。よく聞きなさい。お前は母さんの言ったことを思い違いしてる。母さんは、母さんのことで泣いちゃ
いけないと言いたかったんじゃないんだ。」
僅かにジョンが身じろぎするのを、ジェイクは感じた。
「母さんが本当に言いたかったのは、母さんのことを話したり思い出したりするとき、泣いたりしないでほしいってこと
なんだよ。」
ジョンは身体を離し、父親の目を不思議そうに覗き込んだ。ジェイクはその不安げな顔の息子を、安心させるかのよう
に微笑み返した。
「病気になる前の母さんはどうだった?何時も、笑っていただろう?泣いてる人は元気付けていただろう?みんなが
笑って陽気にしてるのが好きだったんだ。自分のことだってそうさ。」
「・・・・・・本当?」
恐る恐る尋ねたジョンの眼を真っ直ぐ見詰め、ジェイクは自信たっぷりに答えた。
「本当だ。父さんはこの世の中で一番母さんを良く知ってるからな。」
「本当に本当?」
「本当の本当だ。父さんが今までお前に嘘をついたことがあるか?」
ジョンは真面目な顔で勢いよく頭を振った。
「母さんが死んだのは悲しい。泣くのは当たり前だ。内緒だが、父さんもお前に隠れて随分泣いた。大人が泣くところ
をみられるのは、ちょっとカッコ悪いからね。父さんだって今も泣きたくなる時があるのに、お前がそれを我慢すること
はないんだよ。泣きたい時は何時でも泣いて構わないんだ。でも一人で泣いてると益々悲しくなる。だから、これから
は2人で母さんの話をたくさんするんだ。母さんが好きだったものや、話してくれた面白い話を思い出そう。母さんの思
い出は、絶対泣きたくなるような悲しい話にはならないだろう?そっちのほうが、死んでしまった母さんを思って泣くよ
り、ずっといいと思わないか?母さんだってきっとその方がいいって言うに決まってる。違うか?」
ジョンは黙ったまま考え込んでいた。やがて、すっと視線を上げ父親の眼をしっかりと見据え、深く頷いたのだった。
それを見たジェイクは、心の中で安堵の溜息をついた。自分は、以前の無垢で無邪気なジョンを、永久に失ってしま
ったのだろう。今目の前にいるのは、辛い経験を凌ぎ、扉を開け大人びた眼をした新しい子供だ。しかし、息子が再び
彼の元に戻ってきた、そのことだけでも今は満足できる。全てはここから始まるのだ。ジェイクはにっこりすると、肩を
竦めて呟いた。
「それにしても、酷いな、母さんは。」
父親の意外な言葉に、思わずぎょっとした顔になったジョンは、訝しげに父親に尋ねた。
「どういうこと?」
「酷いよな。どうしてあと一日、頑張れなかったんだ。おかげで父さんは、さよならも言えなかった。」
ジョンはさっと父親を見てから、感慨深そうに囁いた。
「同じだったんだね。父さんも。」
「そうさ。2人ともそれに気付かなかっただけだ。」
ジョンは微笑むとうんうんと何度も、満足げに頷いた。人生の共感者がこんなに近くに、しかもそれが父親であれば、
尚のこと彼にとって嬉しいことは無い。ジェイクも同じ気持ちでその様子を見ていたが、やがて立ち上がると家に帰ろ
うと促した。その時差出した父親の手に自分の手を滑り込ませたジョンは、忘れていた傷に思わず、痛いっと声を上
げた。
 驚いたジェイクは屈みこんで、ジョンの手や顔に負った傷を調べ、そのどれもが、見た目ほど大した傷でないことを
確認すると、呆れたような口調で告げた。
「随分とやられたな。相手は何人いたんだ?」
「3人。」
「ブレアのせがれの他に誰が?」
「リッキー・ジョーンズとサム・スチュワート。」
「ああ、成る程。で、鼻を折ったのがデニーか。」
「そう。」
「どうやったんだ?」
ぶらぶらと家路を辿りながら、ジョンは少し考えて答えた。
「一番最初に不意打ちしたんだ。デニーは、まさか僕が殴るなんて思ってなかったみたい。でも、あとはよってたかっ
て、ぼこぼこにされちゃったよ。」
「ふむ。だが、傷が少ないほうが喧嘩は勝ちだ。」
「・・・・それって、デニーは病院行きで、僕は行かずに済んだから、僕が勝ったって言う意味?」
「そういうことになるかな。」
「・・・父さん、何か変だよ。」
ジェイクは、口を尖がらせて顔を顰めたジョンを、おやっと言う顔で見下ろし聞き返した。
「変か?何処が?」
「だって、さっきは僕に喧嘩で相手をやっつけても、気分は良くならないとか言ったくせに、何で父さん笑ってるの?」
「そう見えるか?」
「見えるよ。」
当然という口調のジョンの視線を避け、ジェイクは緩んだ顔をつるりと撫ぜた。が、相変わらず問い詰めるような息子
の視線に、やれやれと溜息をつき、理由を説明せねばなるまいと観念した。
「父さんは最初、お前が喧嘩して相手を怪我させたと聞いて、酷く驚いた。だがその相手が、ブレアの息子と聞いて
な、実を言うとちょっと、ざまあみろと思ったんだ。前々から、あの一族の人間、親父も息子も、腹に据えかねるところ
があってな。何時かぎゃふんと言わせてやりたかったんだが、今日はお前がそれをしてくれたようで、至極気分がい
い。」
「・・・、僕がぼこぼこにされたのに?」
「病院に行くほどじゃない。こんなのは、直ぐに治るさ。」
ジョンは尚も眉間に皺を寄せたまま、しかつめらしい口調で尋ねた。
「・・・ぎゃふん、って何?」
「んん?ぎゃふんか?ぎゃふんっていうのはなあ、こうして・・・。」
ジェイクは両手で何かを大きなものも掴み、小さく丸めてゆく動作を、こうしてこうして、と呟きながら続け最後に小さく
なったであろう手の中のありもしないものを、地面に叩き付けた。そして何かあるはずのものをまず片足でにじり、次
に両足でバンバンとその上を飛び跳ね、あっけに取られている息子の前で両手を広げ気取った仕草で宣言した。
「これが、ぎゃふん、だ。」
それを見た途端、ぷーっと吹き出したジョンは腹を抱えて、けたけたと笑い出した。久しぶりに聞く屈託の無いジョン
の笑い声は、ジェイクの耳に素晴らしい音楽のように響いた。息子の笑顔に格好を崩した父親は、誘われるように笑
い尋ねた。
「そんなに可笑しいか?」
「可笑しいよ。だって、父さんがそんなことするなんて・・・。」
ジョンは再び腹を押さえ笑い始めたが、父親に何時までも笑ってないで行くぞ、と声をかけられると、にこにこしなが
ら、ぎゃふんぎゃふんと妙な節をつけ、ぴょんぴょん飛び跳ね父親の先を行く。ジェイクはその後姿を眺めながら、言い
知れぬ幸福感を噛み締めていた。

「先月仕入れてきたばかりなのに・・。」
溜息混じりの呟き声で、ジェイクは我に返った。ジョンが言ったのはターナー家の鶏のことだ。暗い表情は、言葉にし
なくとも全滅だと物語っている。あの辛い夏から4年。親子は人が羨むほどの良好な関係を築いていた。
 ジョンはジーンズの後ろのポケットに両手を突っ込むと、ちょっと考えてから父親に切り出した。
「学校から帰ったら、ターナーさんちの鶏小屋を直しに行ってもいいかな。」
「ああ、勿論、構わない。道具を出しておいてやろう。」
「良かった。もう、ターナーさんと約束しちゃったんだ。」
「板はどうするんだ?」
「それはターナーさんが昼間の内に、用意するって。でも、家の牧場の柵はどうするの?南側はかなり酷く壊れてい
たよ。犬が入ったのは多分そこだと思う。こっちも早く直さないと、又入られちゃうよ。」
「分かった。朝食が済んだら直ぐにかかろう。」
ジョンは上目に父親を見て顔を顰めた。
「父さん一人で?今日中には無理じゃないの?」
「無理でも終わらせるさ。お前は余計な事に気を回さず学校へ行くんだ。」
父親のきっぱりした物言いに、肩を竦めたジョンは思いついたように付け足した。
「なるべく早くターナーさんちの鶏小屋を終わらせて父さんの方を手伝うよ。」
「有難いが、ターナーさんの方は手を抜くなよ。」
「そんなことしないよ。そうだ、ミセス・ターナーがチョコファッジブラウニーを焼いたから、後で持って来ますってさ。」
それを聞いた途端、ジェイクはげんなりした顔をして声を上げた。
「ああ、又か。勘弁してくれ。それでお前なんて答えたんだ?」
「どうもありがとうございます。父も喜びます。」
「何だってそんなことを・・」
「ミセス・ターナーに最初に貰った時大好物だって言ったのは父さんだろ?それ以来ミセス・ターナーは父さんにチョコ
ファッジブラウニーを食べてもらうのが、楽しみになってるんだ。断れないよ。」
「・・・あの時は帰還したばかりで、ミセス・ターナーには留守中世話になったから気を遣って言ったんだ。だけど、あれ
だけは、どうやっても食えん。ジョン。お前そこのところを上手く彼女に説明してくれないか。」
ミセス・ターナーのチョコファッジブラウニー。それは恐ろしく甘く、恐ろしく歯にくっつき、この世の物とは思えないほど
不味い。‘馬殺し’、とは亭主のテッド・ターナーの言葉だ。懇願するような父親の言葉に、ジョンは冷めた顔でぴしゃ
りと言い返した。
「自分で言いなよ。それに人の好意は素直に受けろっていうのは、父さんの口癖だろ?」
「ああ、分かった分かった。食べればいいんだろう?食べれば。」
不機嫌そうにぶつくさ言う父親の顔をにやにやしながら見ていたジョンは、足元の子牛を見詰め急に話を変えた。
「ところで、こいつどうするの?今日の夕飯にする?」
「いや、燃やしてしまおう。狂犬病が心配だ。」
「狂犬病?まさか。」
「何故だ?野犬の群だったらその可能性は無いわけじゃないぞ。」
「野犬ね。父さん、ブレアさんの話本当に信じてるの?」
「おい、ジョン。滅多なことを言うもんじゃない。むやみに人を疑うな。」
「分かってるさ。他所で言ったりしないよ。でも、これは野犬の足跡なんかじゃないし、大体この辺で野犬の群なん
て、見たことある?」
ジョンが何のことを言ってるのか、ジェイクは分かっていた。しかし、それを今ここで息子と議論する気はない。これか
ら先は子供の出る幕じゃないのだ。ジェイクは最早この話は終わりだと、煩そうに話を打ち切った。
「御託を並べてないで、トラックから油を取って来い。とっととこいつを片付けちまわないと、血の匂いを嗅ぎ付けて何
が来るとも限らん。それじゃなくても今日の仕事は目いっぱいあるからな。」
「何が来るんだか・・」
「何か言ったか?」
別にぃ、と間延びした返答をしながらジョンはトラックに向かって歩いてゆく。生意気を言うようになったなと、その後姿
を眼で追いながらジェイクは思った。この2、3年の間に日一日とジョンは変わっていった。学校では特別目立った存
在では無さそうだったが、真面目で友達思いの性格から彼を悪く言う者はいなかった。頭が良く、成績は何時も上位
にいるのだが、如何せん家の都合でどうしても学校を休みがちになり、成績より出席日数のほうで進級が危なかっ
た。
 ジョンの頭だったら、一流大学も夢ではないだろう。ジェイクはなんとしても息子を大学に進学させたかったが、牧場
だけの収入では日々の生活さえままならない現在、その夢を実現させることは困難だ。それを薄々感じているであろ
うジョンは、一言も父親に進学のことを相談しようとしなかった。このまま地元のハイスクールに進み、その後は父親
の手伝いをしながら牧場の仕事を継ごうと考えているらしいのだ。
 しかしジェイクは、学ぶことが好きで頭脳明晰な我が子を、こんな田舎の片隅で、行き詰った牧場を任せ、一生を台
無しにして欲しくは無かった。確かにジョンは牧場の仕事をそつなくこなし、最早父親が教えることなど殆ど無い。最
近では、ジョンの意見は貴重な助言としてジェイクは捉えていた。しかし、普段のジョンを見る限り、何か彼にはもっと
違う職業が向いている気がしてならない。それが何なのか、今は全く予想も出来ず、その事実にジェイクは焦れてい
た。
 2人はジョンがトラックから持ってきたシャベルで地面に穴を掘り、その中に子牛の死体を入れた。ジョンが油をか
け、ジェイクが火をつけると、黒煙をあげて子牛が燃える。風下にいたジョンは煙りを諸にかぶり、慌ててジェイクのい
る風上に移動し、暫く無言で子牛の燃える様を眺めていたが、ふと顔を上げ、ちらりと父親を探るように見た。
「保安官に届ける前に燃やしちゃっていいの?」
「いいんだ。」
「届けないつもり?」
「いや。届けるさ。だが、どうせここに来るのは何日も先だ。それまでこのままにはしておけないだろう。前回、放置し
ておいたら大変なことになったからな。」
ジョンは肩を竦めると、燃え尽きて灰と化した子牛に黙って土をかけ始めた。暫く2人は無言で後始末を続けた。穴を
綺麗に塞ぎ、平らにならすと今度は回りにしみこんだ血の跡に土を被せる。
 汗だくになって作業が終わった頃には、既に朝日がさんさんと辺りを照らし始めていた。シャベルの持ち手に手をか
け、額の汗をTシャツの肩で拭うとジョンが言った。
「学校に行く途中で、ジェンキンズさんのところに寄らなきゃ。今月はこれで二回目の欠勤だから、首になるかも。」
「大丈夫さ。お前以外の誰があの店の手伝いをするんだ?あのじいさんが首になどするもんか。」
ジョンは思わせぶりな眼をして、ふふっと笑い鼻の横を擦った。
「製材所の方はどうするの?」
「休むしかあるまい。」
「じゃあ、ジェンキンズさんちのついでに製材所も回ろうか?」
「後で電話するからいい。子供が余計な気を回すな。」
「止めてよ。そんなの電話代の無駄だよ。製材所はジェンキンズさんちと学校の間にあるんだし、主任のハミルトンさ
んに言えばいいんでしょう。大して時間も掛からないよ。」
全く次から次へとよく気の回る子供だ。ジェイクは最もなジョンの言い分に、言葉も返せず不承不承頷き、短く済まな
いなと、付け加えた。
 それには答えずジョンは黙って父親からシャベルを受け取り、トラックに足を向けた。ジェイクも足元に転がる油の容
器を拾い上げ、その後を追った。父親が隣に並ぶと、俯いたままジョンが言った。
「今夜の夕食当番は父さんだからね。」
「おい、ちょっと待てよ。昨日もその前も父さんだったぞ。」
「でも、これで貸し借り無しになると思うけど。」
「・・・そういうことか、全く。悪知恵ばかり働く奴だな。」
「人が親切にする時は、必ず見返りがある。そう教えたのは父さんだよ。」
「そいつをここで実践するな。」
「分かった。じゃ、他所で・・。」
「ば、馬鹿を言うな。」
ジェイクが慌てて反対すると、するわけないよ、と父親にへへっと笑ってみせる。こういうやりとりは、昔妻とよくしたも
のだった。なんでも真に受けてしまう、自分との会話の途中から、それと気付かれないように脱線し始め、何時の間
にかジョークへと変わる。教えたわけでもないのに、ジョンのこういう一種独特のユーモアのセンスは、母親からそっく
り受け継いでいた。
 この子は特別な子だ。親の欲目と、人に言えば笑われるかもしれないが、両親の長所ばかりが遺伝したようだっ
た。今はまだ、やせっぽちの少年という面影を残してはいるが、背はまだまだ伸びそうだったし、肩幅が広く逞しくな
り、顔かたちも青年の域に足を踏み入れれば、さぞや人目を引く若者になるだろう。やはり、こんな田舎の潰れかけ
た牧場の主にはさせたくない。
 ジェイクは、何とかして息子を説得し進学させようと、決意を固めジョンの様子を窺った。するとジョンは、トラックの
荷台に放り込んだシャベルを眺め、荷台の縁に両肘を付くと、心ここに在らずといった風で考え込んでいる。運転席に
回りながら、その様子が気になったジェイクが、どうした、と尋ねれば、少し間を置いてから、答えた。
「うん。・・ターナーさんの鶏小屋でちょっと気になることがあったんだけど・・・。」
「何かあったのか?」
ジョンは複雑な顔をして、眉を顰めると唇を噛んだ。が、直ぐに肩を竦め小さく息を吐き、何でもない、と呟いた。そして
自分はさっさと助手席に乗り込んでしまった。ジェイクは眼を細めた。ジョンがこんな風に、何でもない、と言う時は、き
ちんと確認するまでは何でもないという意味が含まれている。ジョンは何か異常に気付いたのだ。そして、それが何
なのか結論を出すまで、決して人にそのことは言わない。例えそれが父親でも、同じだった。誰に似たのか頑固者
め。ジェイク首を振ると運転席に乗り込んだ。
 トラックを発進させると、窓に頬杖をついたジョンが、のんびりとした口調で父親に尋ねた。
「今夜の夕飯のメニューは?」
最早父親の夕食当番は決まったものという顔のジョンに、ジェイクはちらりと視線を流し答えた。
「チリビーンズ。デザート付き。」
それを聞いたジョンはぱっと顔を輝かせた。
「やった。あのスクランブルエッグもどきじゃないんだ。しかも、デザート付き?」
「そうだ。」
「何なの?」
「知りたいか?」
するとジョンは首を傾げうーん、と唸ってから、きっぱりとした口調で答えた。
「止めとく。知らない方が楽しみが増えるもんね。」
2人は満足げに頷きあい、朝食を食べに家に戻った。

その夜。
父親特製のチリビーンズを美味そうに平らげたジョンは、わくわくしながらデザートの登場を待った。ジェイクは席を立
ち神妙な面持ちで、キッチンからデザートの乗った皿を持ってくると、其々の席にセットした。その途端ジョンは、ぐえっ
と妙な声を出し頭を抱え、続いて下から掬い上げるように父を睨み、呻いた。
「・・・・馬殺し。」
それを聞いたジェイクは、おもむろにポケットから胃腸薬を取り出しテーブルの中央に据え、にやりと笑い厳命した。
「人の好意は素直に受けるもんだ。残さず食えよ。」
 ジョンの前にはきっちり二等分されたミセス・ターナーのチョコファッジブラウニーが、黒々とした輝きを放ちながら、
皿の上に鎮座していた。


                                  終




※後書き※
「pledge」シリーズ第一話。如何でしたか?これはシリーズの題が示すように、ジョン・ドゲットが人生の中でしたであろう、様々な「pledge」
=「誓い」をテーマに据え、アプローチしていこうという試みです。ジョン・ドゲットの父親がジェイクといったかどうか、牧場主だったか、母
親は病気で他界したかは、はっきりきっぱりdoggieの捏造です。今後未見のS9で新事実が発覚したら、このficは取り下げの運命です。と
なれば今読んでおくのは、非情にお買い得(?)。子供時代のジョン。父親のジェイク。彼らが当人らしく映ったことを祈ります。今後の参考
に感想をお聞かせ下さい。




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